暗やみで光る虫といえば、6月や7月のあたたかい夏の夜を思い浮かべる人が多いよね。でも、ホタルの季節は夏だけで終わりません。世界中では、月ごとにちがう種類のホタルが姿を現します。アリタプタプの地図を1年を通して見てみると、地球のどこで光のバトンが渡されているよくわかるよ。
半球による季節のちがい
地球は少し傾いてまわっています。この傾きのおかげで、北半球と南半球では季節が反対になります。北アメリカやヨーロッパが9月に秋をむかえて涼しくなるとき、ブラジルやアルゼンチンは春に向かってあたたかくなっていくんだ。
9月下旬のアリタプタプの記録を見ると、この季節のちがいはっきりわかります。カナダのオンタリオ州やアメリカのノースカロライナ州では、フユホタルを見つける人がいます。この小さな虫たちは、空気が冷たくなっても元気に活動するんだ。そのころ南アメリカでは、ブラジルのイパチンガでアスピソマ・リネアトゥムが、セロペディカでピロガステル・ルニフェルが観察されています。南半球のあたたかい春が、まったくちがうホタルたちを目覚めさせるんだね。
現地の天気に合わせるホタル
ホタルは人間のカレンダーを見ていません。気温や湿気、そして昼の長さにあわせて動いています。雨季と乾季がはっきりしている場所では、雨が降り始めるとホタルがぐんと活発になります。
台湾では、台中市でランプリゲラ・ユンナナや、台北でフチドリマドボタルが観察されました。韓国のコミュニティデータにもピロコエリア・ルフラが登場します。場所によってリズムもちがうんだ。東アジアのホタルと、トリニダード・トバゴの熱帯のしめった空気が大好きなディクソンシマホタルでは、1年のサイクルがまったくちがいます。
光を見る計画をたてよう
お散歩しながらホタルを探してみたいときは、自分のすんでいる地域にどんな生き物がいるかを知るのがコツです。おもしろいものを見るために、海をこえて遠くへ行く必要はありません。冬が寒くなる場所でも、がんばり屋のホタルたちは生き残っています。
カナダのキンカディンやグレーター・マダワスカの記録を見てみよう。ほかの虫たちがすっかりいなくなったあとも、フユホタルの大人を見つける人がいます。木の上をゆっくり歩いたり、凍りついた樹皮で休んだりしているよ。夏のホタルみたいに明るくピカピカ光るわけではないけれど、ホタルが1年を通して自然の一部であることを教えてくれます。
市民科学が教えてくれること
みんなが地図に自分の見つけた場所をマークすると、科学者たちがこうした季節の変化を理解するのにとても役立ちます。ベルギーのアントワープでヨーロッパツチボタルを見つけた小さな点が、その夜に地元のホタルが元気だったことを研究者に教えてくれるんだ。アメリカのアトランタで春の木の上で光るホタルが見つかると、地域ごとの時期のパズルがまたひとつ解けていくよ。
ひとりで地球全体を同時に見ることはできません。だからこそ、みんなの科学が大切なのです。自分の庭や近くの公園で見つけたことを記録することで、ホタル科の仲間たちの世界的なリズムを地図にするお手伝いができるんだ。ひとつの半球が寒い季節に向けておやすみしているとき、もうひとつの半球では新しい光の季節が目を覚ましていることがよくわかるね。